国民に12桁の個人番号を割り振ったマイナンバー通知カードについて「視覚障害者への説明や配慮が不十分では」という問い合わせが桐生市に寄せられていたことがわかった。16日の市議会で明らかになった。この問題に桐生視力障害者協会の東間みち子会長は「自分の番号を知りたいけれど、印刷された番号を読むことができず、誰かに頼むこともできない」と不安を示した。
11月から送付が始まったマイナンバー通知カードは封筒に通知カードであることを知らせる点字が表記されているが、通知カード自体には点字がない。
専用の機器やスマートフォンで読み取ると番号を音声で確認できるコードがついているが、機器・スマートフォンの普及率は低く、東間会長は「結局、誰かに読み上げてもらう必要がある」という。
視覚障害者の中には一人暮らしの人や、夫婦ともに障害を持ち、家族に読み上げを頼むことができない人もいる。東間会長は「通知カードと言われても封筒の中に何が入っているかすら確認できなかった」。
通知カードに印刷された番号を読み取ることができないため、点字などで記録しておきたいと考えているが、読み上げと同様に人に頼むことが難しい。「誰に点訳してもらえばいいのか。迷惑がかかったらいけないと思ってヘルパーさんやボランティアさんにも頼めない」と悩む。
桐生視覚障害者協会は15日、市職員を招いてマイナンバー制度説明会を実施。同協会から、視覚障害で番号が読み取れない人や、記入の際に代筆が必要な人への配慮や対策など「視覚障害者独特の問題があることを市に伝えることができた」という。
市は18日の市議会で、通知カードで交付申請する「個人番号カード」について、「要望に応じて専用カードケースに個人番号・住所の点字シールを貼る方向で検討している」と明らかにした。
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