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錦秋に華やか、中村屋・芝居小屋巡回、ながめで千秋楽

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 中村勘九郎さん、中村七之助さんが全国の芝居小屋8カ所を巡回する錦秋特別公演2017の千秋楽が25、26日、ながめ余興場(みどり市大間々町)で行われた。3公演とも関東一円から超満員の客が詰めかけ、大笑いしたりため息をもらしたり、間近に繰り広げられる芸を堪能していた。

 2005年からの中村屋一門巡回公演も、ながめ余興場に人気歌舞伎役者の勘九郎さん七之助さん兄弟が立つのは初めて。昭和12(1937)年竣工でちょうど80年になった余興場は紅葉に菊花も香り、七之助さんが「小屋は一つ一つ顔が違って、ここは昭和。一番面白い小屋なんじゃないでしょうか」と言えば、勘九郎さんは「景色も素晴らしい。ぜひまた呼んでください」と述べると、大拍手。

 演目はまず「歌舞伎塾」。普段は見ることのできない舞台裏、特に女形ができるまでの化粧や着付けが披露され、大太鼓による風、雨、波などの表現の違い、大向こうからの掛け声のタイミングなど楽しく紹介。質問コーナーもあって、今夏歌舞伎座で上演された坂口安吾原作「野田版 桜の森の満開の下」の話題も盛り上がった。

 そして「棒しばり」。大名(小三郎)の留守中にいつも酒を盗み飲んでいる太郎冠者(鶴松)と次郎冠者(勘九郎)。後ろ手や棒に縛られながらもなんとか酒を飲もうと大奮闘する姿に客席が沸いた。

 一転して「藤娘」は藤の精のような娘(七之助)が早変わりの衣装も美しく、大きく咲き誇る藤の花に戯れながら、ときにかれんに、ときにしっとりと恋心を踊り、花道から退場。「お人形みたい」との声がもれた。

 千葉から電車を乗り継いできた20代の女性は「中村屋ファンです。すばらしい小屋で、スタッフさんのもてなし方もあたたかく、とてもよかったです」と笑顔で帰途についた。
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