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“ものづくり事業所”相次ぎ重伝建群内に拠点開設

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 有鄰館付近の桐生新町重要伝統的建造物群保存地区内に、地場のものづくり事業所が相次ぎ進出する。いずれも特徴的な業態を有し、訪れる人たちが生産工程を見られるようにするなどの工夫を施す計画を立てている。中心市街地活性化や産業観光推進の観点からも、今後注目を集めそうだ。

 進出するのは、活版印刷の「Ladybird Press(レディバードプレス)」、帽子メーカーの「com+position(コンポジション)」、繊維製品企画販売の「i4(アイフォー)」の3事業所。いずれも本町二丁目地内に拠点を構える。

 先行する「Ladybird Press」は、平井町から移転する形で11日オープンした。杉戸岳代表(45)は「有鄰館も近く、重伝建地区とアナログ感のある活版印刷は相性がいいと思った」と話す。地元で建築設計事務所を営む大内栄さんの紹介で古民家を借り、内装をリフォームして入居した。

 昭和20年代に作られた手動機2台と自動機1台を持ち込み、仕事場として活用するほか、ポストカードやコースターなどのオリジナル商品を販売する。庭を活用したカフェの開催などの企画も構想中だ。営業時間は午前10時から午後6時まで。定休日は水曜日と第3火曜。

 「com+position」は独自ブランド「usine(ユージーン)」の取り扱い店舗として3月中の開店を予定。近くにある地区内の石蔵で2016年開業したが、手狭となったため、製造販売と事務所機能を分けることにした。

 店では職人の大山了さん(50)が専用ミシンを操り、生産工程を見られるようにする。商品の価格帯は1万円台から2万円台後半。齋藤良之代表(47)は「帽子作りの仕事は普通なかなか見る機会がない。手仕事だからこの値段になると理解してもらいたいし、見せることでやりたい人が増えたら。いずれは体験もできるようにしたい」と語る。

 市のインキュベーションオフィスに入居する「i4」も3月中に移転する。「基幹産業である繊維に関わっており、昔の建物を活動拠点にしたい思いがずっとあった」と石橋進社長(49)。

 基本的には事務所としての活用で売り場は設けないが、ショーウインドーを新設。自社ブランド「mon・e(モンエ)」の商品を展示する。「街並みを見に来た人に向けて情報発信し、ウェブに誘客する工夫を施したい」と展望している。
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