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刀匠工藤将成さん、ナイフブランド「フラグア・マサ」設立

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 桐生市梅田町二丁目の刀鍛冶、工藤将成さん(41)がナイフブランドを立ち上げた。刀匠としての技術の粋を注ぎ込んだ実用品を通じ、日本刀への関心を呼び起こし、刀剣文化を国内外に広めたいと考えている。海外展開も構想している。

 愛知県熱田神宮での奉納鍛錬や刀剣展覧会での受賞などの実績を持つ工藤さんは、2005年5月から「将成鍛刀場」を構え、日本刀の製作を続けてきた。市場としての広がりも考慮し、「海外で勝負できるものを」と着目したのがナイフだ。

 ブランド名は「FRAGUA MASA(フラグア・マサ)」。フラグアはスペイン語で「炉のある空間」を指す言葉。火床(ほど=刀鍛冶の炉)から新たな命を生み出す思いを込めた。

 米国のカスタムナイフ展に昨年試験的に出展。刀身を高く評価されるとともに、明確な用途を求められた。キッチンナイフ(洋包丁)、アウトドアナイフ、デスクナイフと三つの区分で展開する。

 現代の日本刀はもっぱら鑑賞用だが、工藤さんは美しさのみならず、刀本来の強さと切れ味を日々追求してきた。培ってきた技術の裏付けが、実用性を問われるナイフ作りを可能にした。

 趣味性の強いアウトドアナイフには日本刀と同じ素材を使い、鉄を錬ることで表れる複雑な刀紋と奥深い美しさを生み出す。プロ向けのキッチンナイフは厚さ2㍉弱。「薄いほど作り方はシビアになる」という難易度の高さで、鋭い切れ味を実現した。

 今後はウェブサイトの構築や国内外の展示会への出展を通じた発信を試みる。

 「日本刀の周知と並行して、このブランドを育てていきたい」と工藤さん。「日本刀への興味を国内外に広め、刀剣の文化に気づいてもらえるきっかけにしたい」と話す。

 価格は5万円台から。問い合わせは工藤さん(電0277・32・3845)まで。
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