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全部みどり市産、純米吟醸酒「山紫」誕生

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 耕作放棄地を再生して酒米をつくり、精米、酒造、ラベルやパッケージには詩画家の星野富弘さんが協力して、オールみどり市産の純米吟醸酒「山紫(やまむらさき)」が誕生した。耕作放棄地が増え野生獣被害の深刻な中山間地の農業再生を願って、県東部農業事務所桐生地区農業指導センター管内の関係者が連携して取り組んだもので、四合瓶(720ミリリットル)1800円(税込み)、限定3000本を4月20日から市販する。

 みどり市大間々町浅原、塩原の耕作放棄地で、県育成品種の酒造好適米「舞風」の作付けが始まったのは2016年度。17年度には松島弘平さん、星野邦夫さん、小倉勝さんと参入農家が増え、田んぼは1ヘクタールに広がり、「みどり市酒米生産組合」を組織した。

 組合長の松島さんが役員をつとめる精米会社で50%に磨いた米は、近藤酒造へ。赤城山の伏流水と「群馬KAZE酵母」で仕込んだのが「山紫」だ。近藤雄一郎常務は「うまみがあって後はすっきり、食中に飲めて飲み飽きない」という。

 前年度は県立桐生高校創立100周年記念の祝酒として1000本限定販売した「山紫」だが、今回もみどり市出身の星野富弘さんが書と詩画を提供した。ラベルとパッケージを飾るのは「たんぽぽ」。どこでも目にして素朴で親しみやすく、風に舞う綿毛が自由に旅立って新たな場所で息づくようにとの願いを込めた。

 松島組合長は「耕作放棄地を田んぼに再生するのは容易ではないが、今年度産の米はいい出来で等級も上がった。売り先が決まっているのも意欲につながる。今後はレンゲをまいて有機栽培に取り組み、息長く続けていきたい」と語る。

 ほかにもタラノキやフキの栽培、酒米みそづくり、吟醸粉を活用した新商品の開発が試みられ、子どもたちの田植え・稲刈り体験と酒蔵見学、定年帰農塾、集落環境整備を進めるなどして地域農業の再生を目指している。
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