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道路工事に懸念続出、重伝建の電線地中化

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 桐生新町重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)を貫く桐生市本町一、二丁目の県道桐生田沼線(本町通り)で、県が新年度から予定する電線地中化工事の地元住民主催の説明会が10日夜、本町一丁目集会所で開かれた。工事に伴い沿道商店にどのような支障が出るかを示した県の説明に対し、地元商店主から営業上の悪影響を懸念する意見が続出。「意思疎通が不十分」と指摘する住民側に対し、県は「説明が十分でなかった」と謝罪した上で、年度内に説明の場を複数回設けることで、地元の理解を求めていく姿勢を強調した。

 工事区間は桐生天満宮前交差点から矢野園前までの約550メートル。電線地中化工事をした上で、センターラインのない幅員6・5メートル(同1メートルの両側路肩含む)の車道と、同約2メートルの両側歩道を整備する計画だ。

 説明会は本町一丁目と二丁目の両町会が主催。県桐生土木事務所の松岡利一所長と工事担当者2人を招き、両町会の住民向けに工事に伴う影響について説明を求めた。

 同二丁目の田村信行町会長は冒頭で「(新年度着工予定との)桐生タイムスの報道を見て驚き、住民に工事内容を早く伝えたかった」と開催趣旨を説明。「今回を最後と思っていない。これが出発点」と述べた。

 県桐生土木事務所の松岡所長は「県が事業主体でありながら、説明が十分でなかったと聞いている。その点をおわびしたい。桐生市とも連携して進めてきたつもりだが、事業主体はあくまで県」と謝罪した。

 その上で、電線共同溝(地中化)工事の概要や進め方、道路規制などについて説明。「仮に予算がついたとしても地域の理解と協力がなければ工事は進まない」として、地元住民の理解を求める姿勢を強調した。

 県担当者の説明によると、同工事は▽水路遺構の埋蔵文化財発掘調査▽下上水道管移設▽電線共同溝設置▽各家庭への引き込み管整備▽電柱引き抜き▽道路整備工事―の順番で行う。県予算案が議決されれば新年度に着工したい考えで、2019年度の完成を目指す。

 工事に伴う道路規制については、約30メートルの片側交互通行が最大4カ所できることや、一軒当たりの車の出入りができない期間は(規制区間が動くため)各工事通算で約50日程度になることなどが説明された。

 質疑応答では、本町二丁目の商店主などから「そんなに長く工事をやられたら商売をやっていけない」「3年後の話なら覚悟も準備もできるが、4月からと言われても困る」「商店にとっては死活問題。『お願いします』では済まない」などと、道路規制に伴う悪影響を懸念する声が続出した。

 松岡所長は説明会後の取材に「商店の営業や住民生活になるべく支障の出ないよう、工事を進める上で可能な限りの配慮をしたい。沿道商店などからの聞き取りを行った上で2月中に第2回の説明をしたい」と語った。

 本町二丁目の田村町会長は「市や県との意思疎通が不十分だったのは確か。今回の説明会の反応では、地元町会としてゴーサインは出せない。今後は市も含めて意思疎通を図って、いい方向を探りたい」と話した。
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