街を自転車で走っていると、体に小虫がへばりついてきた。啓蟄には少し早いが、暖かさに勘違いして出てきてしまったのだろう。直後に寒さの揺れ戻しが来たから、それで寿命が尽きてしまっていたら少々気の毒である▼気象の狂いに生き物は敏感だ。春が近づくと思い出すのが、2007年の出来事。640本のソメイヨシノが植えられている桐生市梅田町の柄杓山の異変だ。山の頂が帽子をかぶったように桜色に染まるいつもの姿がこの年みられず、大半の木が花をつけることなく葉桜になった▼鳥による食害や木の病気などが疑われたが、翌春には再び満開の風景がみられたから、おそらくは専門家が当時指摘したように暖冬と少雨でつぼみが十分育たなかったのが原因だったのだろう。この冬もどちらかというと暖かかったから、きれいな花をつけてくれるかどうか少し気掛かりだ▼人間もまた生き物だけに、環境の急激な変化にはどうしても影響を受ける。これからの三寒四温の時期は、特に体調を崩しがちだ。インフルエンザがはやっているし、春の訪れが近づくとともにゆううつな花粉症もやって来る。適度に気を張りながら予防を怠らず、無事に乗り切りたいものですね。(悠)
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