桐生市は新年度、高齢者支援施策として三つの新規事業を掲げた。認知症初期集中支援チームを立ち上げて困難事例の対応にあたる「認知症への総合支援」、医療と介護の連携推進の中心を担う「在宅医療・介護連携推進」、地域で生活できる体制を整備する「生活支援体制の整備」。3新規事業に取り組み、高齢者が地域で生活できる町づくりを目指していく。
介護状態でも住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」。国は市町村に対して2025年までに、地域特性を生かしたシステム構築を求めている。桐生市でも構築に向けて事業展開しており、2016年度の3新規事業もその一環として位置づけた。
「認知症への総合支援」事業では「認知症初期集中支援チーム」を配置。認知症が疑われる人が専門医の診断を受け、早期治療を受けられるように道筋をつける役割を担う。
アルツハイマー型認知症は完治することは難しいが、早期発見・早期治療で進行を遅らせることができる。
新年度発足するチームは、医療・介護サービスを受けていない人や、受けていても認知症の症状が顕著で対応が困難な人を対象に、専門医の診断から適切な治療や介護サービスに結び付けていく。チームには専門職スタッフが所属し、親族や近隣住民などから相談に応じて対応する。
国の実施する研修を受けた後、関連機関との連携確認などを行い、年度内には活動を始める予定。
「在宅医療・介護連携推進」は、退院後に介護サービスや訪問診療などをスムーズに受けられるよう、介護と医療の連携基盤をつくる事業。医師や歯科医師、薬剤師、居宅事業所、ケアマネ、行政、地域包括支援センターなどが連携を取り、具体的な連携の仕組みづくりに取りかかる。
「生活支援体制の整備」事業では、新年度から「生活支援コーディネーター」を配置し、高齢者の生活支援・介護予防サービスの体制整備を進める。高齢者が地域で生活するために必要な支援(ニーズ)と、ボランティア団体や自治体、近隣住民などが提供できるサービスをつなぐ仕組みを目指す。
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