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梅肉と生卵

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 子どものころ、熱を出したときに、祖母があるものをつくってくれた。生卵にちぎった梅肉を加えたもので、これを1日1回食べる。調味料などは加えておらず、味はといえば、ただ生卵と梅肉の味なのだが、まずくない。そして、これが不思議と効いた▼同級生のぜんそくを持った友人たちは、症状が出たときはのどにネギを入れたガーゼを巻いていたし、ナメクジを食べるといいといった話もよく耳にした。民間療法なので、本当に効果があるのか、効果があるとすればどうしてなのか、そこまでは分からない▼ただ、自分のケースからすると、へんとうが腫れて発熱したときに、祖母の梅卵を食べると気持ちが落ち着くという効果は、大きかったのだと思う。あれを食べて水分を取り、そして我慢強く横になって汗をかけば、大概の風邪は大丈夫なのだと、物心ついた頃にはそんな対処法が自分の中にできあがっていた。先日、発熱した際に、そんな記憶を思い出した▼インフルエンザが流行している。風邪もまた、はやっているようだ。症状が出たら医療機関にかかり、薬をしっかりとのんで、そして安静にする。ただ、子どものころに覚えた祖母の味の記憶は忘れがたい。(け)
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