19人が死亡し26人が重軽傷を負った相模原市の障害者施設殺傷事件を受けて、桐生市川内町五丁目の障害者福祉施設「桐生みやま園」の関係者も衝撃を受けている。硬い声で「(容疑者に対して)理解に苦しむ」「二度とあってはならないこと」と話す同園の職員。園では急きょ、侵入者対策として防犯カメラの設置を検討し、夜勤職員らに防犯ブザー携帯の徹底を再度周知するなど対応に追われている。
障害を持つ人たちの日常生活支援や作業訓練などを行う同園。利用者の居住施設として、みつみね寮(利用者30人)、ねもと北寮(同25人)、ねもと南寮(同25人)がある。
現在、ねもと北・南寮には、急病対応や事故防止など利用者の安全を守るため、寮内に「見守りカメラ」を設置しているが、外部からの侵入者対策のカメラはない。同園では、神奈川県での殺傷事件を受け、門や敷地の境、玄関などに防犯カメラの導入を進める方針だ。山田弘義園長は「これまでも防犯カメラ導入案はあったが、前倒しで設置を検討していく」という。
事件を受けて同園は26、27日朝に会議を持ち、職員の防犯意識を再確認。施設内の防犯ベルや119番直通ベルの位置、消火器の場所、使用方法などを改めて徹底した。
「防犯ベルを使える利用者にも再度周知していく」と話すのは、今年4月までの約10年間、居住寮の寮長を務めていた藍澤智子さん。容疑者が元職員と聞き「重く受け止めている。私たちは障害を持つ人たちとともに暮らしている気持ち。なるべく寄り添えるよう、専門職として日々学んでいる。犯人の気持ちは全く理解できない」と話した。
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