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いつどこに逃げる?、地域独自ルール化進む 桐生市

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 768カ所の土砂災害警戒区域を抱える桐生市で、住民たちが懇談会を開いて地域独自の避難ルールをつくる取り組みが進んでいる。市は2014年度から同警戒区域を含む町会・自治会の取り組み支援を本格化し、今年度は6月から梅田町五丁目町会や黒保根町3町会で懇談会を開催中。8~9月の次回会合で地域独自の自主避難計画をまとめ、「緊急時いつの時点でどこに逃げるか」についての地域独自ルールを決める。

 土砂災害警戒区域は、急傾斜地の崩壊や土石流などの恐れがある区域で、土砂災害防止法に基づき都道府県が指定。市町村に避難態勢づくりを義務付けている。

 桐生市内では県が14年10月、川内町五丁目を中心とした43地区753カ所を新たに指定。2006年1月指定の梅田町四丁目の既存15カ所を含め計768カ所に急増した。

 これを踏まえて市は14年度から、警戒区域を含む全48町会・自治会を対象に、住民たちが懇談会を開いて地域独自の避難ルールをつくる取り組みの支援を始めている。

 14年度は川内町五丁目第二町会を、15年度は黒保根町上田沢町会をそれぞれモデル地区に選定。15年度は川内町の残る対象7町会と新里町の対象5町会で実施した。

 今年度はモデル地区の梅田町五丁目町会をはじめ、黒保根の残る4町会で6月から懇談会開催中。黒保根は8月下旬、梅田町は9月上旬に予定される第3回会合で、地域独自の避難ルールを決める見通しだ。

 黒保根町下田沢の柏山集会所で開かれた下田沢町会(尾池芳雄町会長)の第2回懇談会には約40人の住民が出席。前回住民同士で出し合った危険箇所を洗い出し、緊急避難時「いつの時点でどこへ逃げるか」を話し合った。

 出席した住民らは「この道は豪雨時に川のようになるので避難路にしちゃいけない」「指定避難所まで行く余裕がなければ、ここに緊急避難させてもらおう」などと意見を出し合い、集落ごとに細かく独自の避難ルールを決めていった。

 懇談会の最後に市側は、「いつ避難するか」の判断基準の参考として、カップ酒の瓶に目盛りを付けた簡易雨量計の活用を提案。土砂災害の恐れが高まる「1時間雨量20ミリ」(目盛りの高さ2センチ)、「連続雨量100ミリ」(同10センチ)を把握することの大事さを訴えた。

 同町会では1947年のカスリーン台風で発生した土石流で犠牲者が出ているだけに、尾池町会長は「最近の豪雨災害はピンポイントなので恐ろしい。住民自ら土砂災害の危険を知り、備えを万全にするきっかけにしたい」と話していた。
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