第3回科学の甲子園ジュニア全国大会(科学技術振興機構主催)に群馬県代表として出場を決めた樹徳中学校と清流中学校の合同チームが、大会に向けて共同学習会に臨んでいる。12月4日の開会式にはそろいのユニホームで桐生出身の篠原涼子さんの大ヒット曲「恋しさとせつなさと心強さと」をテーマ曲に入場することになり、東毛地区から初参加の2年生6人に周囲の期待も高まっている。
県大会優勝の樹徳中は神田涼さん、中野領也さん、山田翔貴さん(指導教諭=田島遼也さん)、準優勝の清流中は山田直毅さん、原野早陽花さん、佐藤麻菜さん(指導教諭=加藤絵美子さん)。初の共同学習会は県教委、市教委の支援も受け、12日の放課後に清流中で行われた。
桐生市立中学校では群馬大学理工学部と提携して、大学院生を各校に派遣するサイエンスドクター事業を実施している。清流中には桐生出身で博士課程3年、ロボット工学が専門の鹿貫悠多さん(28)が出向いている。夏休み中には県予選に向けて集中指導を受けており、成果が上がったようだ。
「甲子園」に向けての共同学習会も鹿貫さんが指導。競技は理科、数学など複数分野から実生活と関連させて出題。筆記と実技に分かれ、チーム全員で考え相談し合い、得意分野を役割分担して問題を解決する。今回は主催者からの事前公開資料をもとに、論理式から実際の装置を作るプロセスを学んだ。
「科学の楽しさ、おもしろさを知ってもらいたい」とサイエンスドクター3年目の鹿貫さん。生徒たちはわかりやすく的を射た説明にうなずきながら演習を進めた。清流中の山田さんが「くみあわせ回路は今までやったことがなかったので、興味深かった」と語れば、樹徳中の神田さんは「公立の授業は初めて、サイエンスドクターも初めて。役立つ情報が多かった」と感想を述べた。
合同学習会は19日にも予定。まだ遠慮がちな生徒たちに、鹿貫きさんは「みんなで相談してもいいんだから、チームでの戦略をしっかり立てよう」と激励していた。
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