先日、本紙の「なんでもダイヤル」欄に「大河ドラマは史実を大切に」という声が掲載された。数日後、今度は「ドラマは創作を楽しみながら」という意見が。「花燃ゆ」の群馬編で悲しい気持ちになる一方、中学時代、源義経の肖像画にがっかりした経験のある者としては「どちらも分かる」▼真田の人々がかかわっていなければ関ケ原の戦いも「超高速」で終了した今年の大河ドラマ「真田丸」。しかし、これが「史実と違っているか」と問われれば難しい。資料からは関ケ原の戦いに参戦した武将でさえ、1日足らずで終わるとは思っていなかったと考えられるのだ▼ドラマ終了後、NHKの公式ホームページに加え、時代考証を担当する研究家の一人である丸島和洋さんのツイッターをのぞいている。ドラマの進行とともに最新の研究成果が紹介されており、伊達政宗の眼帯をはじめ、「史実」と思っていたことが後世の創作の影響であったり、歴史好きとドラマ好きの両者を楽しませるため、脚本家の苦労も垣間見えて面白い▼一方でドラマになることで資料が発掘され、創作と思っていたことが史実に近づく事例もある。歴史ドラマは過去と現在をつなぐ道。まずは面白くあってほしい。(野)
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