台湾からの修学旅行生を地元に呼び込もうと、桐生市は県と連携して視察団を招き、誘致活動を加速させている。5日には、台湾の高校校長ら8人の視察団が桐生市内を訪れ、手織りや藍染め、着物の着付けなどを体験。地域に根付いた日本の伝統文化体験ができるとあって、「桐生は教育旅行にふさわしい。来年2月に生徒たちとぜひ来たい」と、その場で桐生再訪を決める校長も現れた。
親日家が多い台湾では修学旅行先に日本を選ぶ高校が多く、特に日本の伝統文化の体験学習が人気という。これを受けて日本国内でも近年、台湾の修学旅行誘致をめぐる地域間競争が激化している。
4日には観光庁が訪日旅行促進(ビジットジャパン)事業の一環として、約120人の台湾の高校校長らを招いて都内で交流座談会を開催。5日から14コースに分かれて全国各地の観光視察を行っている。
来桐したのは群馬・埼玉コースを選んだ8人で、いずれも桐生は初めて。5日昼に桐生入りして料亭・一婦美(仲町二丁目)で食事した後、織物参考館“紫”(ゆかり、東四丁目)でノコギリ屋根工場を見学、手織りや藍染め、四辻の斎嘉(東久方町二丁目)での着物着付けと散策などを体験した。
視察団の団長を務める国立曽文高級家事商業職業学校の陳校長は「織物の歴史の変遷を体験できて新鮮味があり、生徒たちが興味津々の着物着付けもある。歴史や建物に創意工夫があり、桐生は教育旅行にふさわしい」と好感触を強調した。
その上で「来年2月に生徒たちとぜひ桐生に来たい。(桐生で着物着付け体験をした)生徒たちの着物姿が(同校の)ホームページのトップを飾るでしょう」と笑顔で語り、修学旅行での来桐を明言していた。
桐生市は2013年度から今年度までの4カ年で、約800人の台湾からの修学旅行生を受け入れている。市観光交流課は「地域に根差した伝統文化の体験」を軸に誘致活動を強化して受け入れ増を図りたい考えだ。
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