ミツバが桐生市相生町五丁目の旧カネトモ本社屋を研修センターとして整備する。グローバル展開する同社は海外18カ国に拠点を設けており、業容の拡大に伴い、現地幹部との経営戦略や価値観の共有化が必須の段階にきた。初の試みとして今月、海外の社員を招いて研修を実施中だ。来期以降も継続するため、来年度中に2階部分を改修し、受け入れ環境を整える。
地場繊維大手のカネトモ跡地はミツバの子会社が土地建物を昨年取得。1階部分は特例子会社のアムコが工場として使用している。
研修センター設置は、グローバル化の進展に合わせ、現地で働く人たちがミツバグループとしての戦略や価値観を共有し、各自の判断で事業を推し進める必要が生じていることが背景にある。部課長級を中心に、12カ国から18人を桐生に招き、今月3日から14日までの予定で研修を行っている。
日野昇会長や長瀬裕一社長ら経営陣や元幹部が自らの経験に基づき、経営理念や行動規範に当たる「ミツバWAY」を伝えるほか、事業戦略や経営計画、グループ共通のマネジメント手法などを説明する。
来年度中に研修施設としての改修に着手する。通訳ルームのほか、毎日礼拝の義務があるイスラム教徒向けの空間を確保するなど国ごとの事情に配慮した整備を検討する。
飯尾泰貴人事課長は「海外拠点が増え、日本の仕組みを海外に移して工場を回すだけでは求められるスピードに追い付かず、立ち行かなくなった。来期以降も継続していく」と話している。
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