いかにもこの人らしい、とうなずくこともあれば、こんな一面もあるのか、と驚かされることもある。納得の一冊と、意外な一冊。知人の自宅を初めて訪ねたとき、本棚に並んだ本を見ての感想だ。まさに千差万別、十人十色。人の数だけ、本棚がある▼店主の個性がにじむ本棚を、さらにコーディネートして、たくさんの人に見てもらう。そして自分のお気に入りの本を、手に取って読んでもらおうという、これまでにない取り組みが、桐生市中心街の各店に広がりつつある▼７日付１面で紹介した「まちなか本箱」。各店が趣向を凝らした本箱を店頭に置く。来店者が自由に本を借りることができ、しおりにメッセージを書き込んで返却する。返却日はあえて設けず、他店に返してもいいし、来店者がお気に入りの本を加えてもいい▼その本箱に並んだ本を見れば、店主の人となりがにじみ出て、店をもっと身近に感じられる。来店者が本を追加することで、店の雰囲気作りの一翼を担う。そんな存在を目指そうと、参加店主の有志たちは意気込む▼１１月３日の本格スタートに向けて、参加店も順調に増えているという。「店の数だけ、本箱がある」。そういう街になったら楽しい。（針）
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まちなか本箱
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