県立桐生工業高校建設科3年の茂木大河さんが、群馬県代表として第54回技能五輪全国大会に出場する。若手技能者が32の職種で技能を競う大会で、茂木さんは木造建築物を構築する「建築大工」。桐工からこの種目に出場するのは初めてとのことで、22、23日に山形県寒河江市市民体育館で11時間45分の競技に挑む。「高校生で一番になりたい」と引き締まった表情を見せた。
茂木さんは足利市立坂西中から近くてものづくりに力を入れている桐工に進学。祖父は宮大工で、父も跡を継いで工務店を経営。「おじいちゃんが師匠です」と語る。
1年生で技能検定3級に合格。祖父はノミのセット、祖母は墨つぼを贈ってくれ、ずっと大事に使っている。そして2年生で2級、訓練校生やプロの大工も居並ぶなか、県内トップの成績で技能五輪への出場権を得た。
今回の課題は寄せ棟屋根と切り妻屋根を設けた複雑な形の「ひし屋形小屋組」。畳より大きいシナ合板に図面を描き、17本の支給材の全部をカンナで削る。部材の墨付けをして各部の寸法に応じたほぞ穴などの加工をし、組み立て、ビス留め。制限時間内で仕上げるため、寸法や勾配などは頭の中に入れ、道具を使いこなして手際よく作業を進めていく。
もう10個以上練習して、時間配分も心得た。実は昨年の実績を見ても、仕上がらずに採点対象外になった人が半数以上。完成品は審査を受け、作業姿勢や各種道具の扱い方などもポイントになる。茂木さんは速く正確に、きれいに、「実力をぶつけてきます」。指導にあたる岩田直樹教諭は「コツコツめげずに、時間をかけて、よく考えて作業できる」と特長を挙げる。
祖父母らまわりの期待や支えも大きい。将来は宮大工が目標で「精密な模型作りもしたい」という茂木さん。「自分の可能性を広げるために大学へ行き、家業を手伝いたい」としている。
交付金1961万円「過大受給」、大間々給食センター建設で
みどり市教育委員会は19日午前の市議会総務常任委員会で、市大間々学校給食センターの建設に充てた国の交付金について、算定方法を誤ったため1961万円を過大に受給していたと、会計検査院から指摘されたことを報告した。今後、過大分の交付金の返還を求められる可能性があるとして、市教委は「算定を誤った原因を検証し、再発防止に努めたい」としている。
同センターは2013年8月に完成。東武赤城駅の東側で敷地面積5549平方メートル、延べ床面積1814平方メートルの鉄骨2階建ての施設で、国庫補助や合併特例債を活用し、建設費6億3357万円など計10億618万円の事業費をかけた。
会計検査院は今回、給食施設の新築や増改築に充てられる交付金について、11~15年度に交付対象となった全国282施設を調べた結果、みどり市を含む19市町村の20施設で算定誤りがあり、計4億3000万円が過大に支給されたと指摘。18日付で文科大臣に是正措置を求めた。
みどり市など3市は、交付対象となる工事の面積を算定する際、本来は延べ床面積で計算すべきところ、誤って建築面積で計算したため、交付金を過大に受給したという。
同市教委は「交付要綱には、延べ床面積と建築面積のどちらをもとに算定するかの記載がなく、市としては問題ないと認識していた」とした上で、指摘を受け「交付要綱の理解不足と言わざるを得ず、再発防止に努めたい」としている。
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