桐生市は24日までに、7月に実施した「市民の声」アンケートの調査結果を示した。2年前の前回調査時に基本調査項目で最低だった「働く場」の満足度が改善した一方、「公園や子供の遊び場」などの満足度が同項目中最低となった。亀山豊文市長は「市有施設の老朽化による不満が出ている。一方で、働く場の満足度が改善しており、より充実して市民要望に応えたい」としている。
同アンケートは、市政に対する市民の意識や要望を把握して今後の政策に生かそうと、市が1971年から隔年で実施。22回目の今回は無作為抽出した20歳以上の市民2000人に郵送で行い、1067人が回答した。
毎回必ず質問しているのが、市内での暮らし満足度や、在住地区ごとの生活環境の満足度を聞く基本調査25項目。各項目で「満足」「どちらかといえば満足」を合わせた満足度と、「不満」「どちらかといえば不満」を合わせた不満度を示した。
基本調査項目のうち不満度が満足度を上回ったのは、2年前の前回調査時に引き続き、「働く場」「道路の広さや舗装」「夜道の安全さなど防犯」「日常の交通の便利さ」「公園や子供の遊び場」の5項目。
前回からの増減をみると、各項目ごとに明暗が分かれた。
前回満足度が最低だった「働く場」は不満度と満足度が改善。双方の差が前回の10ポイントから1ポイントに圧縮した。
逆に悪化したのは「公園や子供の遊び場」「夜道の安全さなど防犯」。「遊び場」は5ポイントから14ポイントに、「防犯」は18ポイントから26ポイントにそれぞれ差が広がった。
このほか前回からの満足度の増減で目立つのは、改善した「子供の教育の場」(4ポイント増)と、悪化した「火災水害など防災」「病院や診療所の便利さ」「体育館など運動施設」「学校施設整備」「保育施設整備」(いずれも5ポイント減)。
亀山市長は17日の定例記者会見で、アンケート結果について「『働く場』や『子供の教育の場』などで満足度が改善した理由は、少しずつではあるが課題に対応した施策の効果がある程度出てきたからではと思う」との見方を示した。
その一方で、「右肩上がりの時代に造った市有施設の老朽化に伴う不満が出てきていると感じる。今後本格化する総合的な市有施設改修で市民の不満を解消したい。いいところは伸ばし、悪いところは改善するしかない」と述べた。
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